地域の医療従事者に寄り添い
臨床技術の向上を支えるサポーター

私はMRIのアプリケーションスペシャリストとして、福岡、大分、宮崎、鹿児島の医療機関を担当しています。アプリケーションスペシャリストとは、キヤノンの製品をご導入いただいている医療機関に対して、製品のよりよい活用方法をご提案する仕事です。特にMRIは撮像条件をほんの少し変えただけで撮像時間が大幅に変わることもあり、適切な設定が難しい機器です。またその特性から診療放射線技師の方でもMRIの撮像原理をご存じない方も珍しくなく、説明する相手によって伝え方を大きく変える必要があります。できるだけ「難しい」と感じられることがないよう、その方が一度に頭にインプットできる範囲のことをわかりやすく説明し、徐々に深い内容に進めていくなどの工夫をしています。

また業務の一環として、お客様からの声を開発部門への要望として上げることもあります。全国のユーザーからの意見を各地域の代表者様がまとめて直接開発担当者へ伝える機会も設けており、よりリアルな現場の声を届けられます。日常業務でのちょっとした使いづらさがきちんと汲み取られ開発に活かされるのは、メーカーとお客様との関係性が深いからこそ。私たちのようなアプリケーションスペシャリストが全国各地に駐在し、迅速にお客様のもとへ伺う体制があるのも国内メーカーならではだと思います。その他には研究支援・開発支援をはじめ、事例集等で適例としてご紹介できる臨床画像の収集や、ご導入を検討されているお客様に実機で操作や画像をご紹介するデモ対応なども行っています。

担当している地域の中で過疎化が進んでいるところでは、高度な検査や治療ができる医療機関が少なく、中枢となる病院ではさまざまな検査に対応しなければなりません。専門的な検査での撮像の設定についてお問合せやご相談をいただいた際には、お客様の元に赴き練習を重ねていただくこともあります。たとえば血管系の検査は、心拍に合わせて撮像するため難易度の高い検査のひとつ。早い心拍の人、遅い心拍の人などの個人差や、同じ患者さんでも日によって差があることは珍しくありません。狙い通りの画像が撮れなかったタイミングで、どこが良くなかったのか、どう改善することができるのかを一緒に振り返り、技師さんご自身が経験していただくことがスキルアップへの一番の近道です。

その方の習熟度に合わせてフォローすることで、徐々にキヤノンのMRIに対する知識や経験を身に付けられ、意欲的に取り組んでいただけることもあります。「前回よりうまく撮影できたよ」などのお声をいただくととても嬉しいですし、キヤノンのMRIをふんだんに活用いただくことで、地域医療向上のお手伝いができているのかなと思い、この仕事をしていてよかったとやりがいを感じます。さらにその結果、MRIの検査数が増えた、脳外科のクリニック様が近隣の整形外科からのご紹介を受けられるようになった、といったお声を聞くこともあり、地域の医療資源の活用にもつながっていると思います。

一人ひとりに丁寧に寄り添い、地域医療のボトムアップにこれからも貢献していきたいですね。

アポイントの合間には、大好きなコーヒーを楽しみながらPCで仕事をすることも。それぞれのお客様に合わせたわかりやすい資料を準備し、丁寧に説明することにこだわっているという。

車や新幹線での移動中は、つかの間のリラックスタイム。音楽を聴きながら過ごすのがお気に入り。どんなに忙しくても意識的に休息を取ることで、仕事のパフォーマンス向上に努めている。

九州の豊かな自然に癒されていると語る道正田。サンセットが有名な二見ヶ浦の櫻井神社 夫婦岩には、休日に友人を連れて訪れたこともあるそう。

糸島半島最北部に位置する「＃ジハングン」は、SNS映えすると話題のスポット。近隣にはおしゃれなカフェも多く、週末はカップルや家族連れで賑わう。

取材日：2022年12月7日
撮影協力 : 櫻井神社 / Beach Cafe SUNSET / ＃ジハングン