peopleinterview

装置に込められた
「いのち」への想いを
届ける。

東京西支店
営業担当

大島 広之

Q01

大島さんが、Made for Lifeについて
考えを深めたきっかけには、
ある上司の方の存在があったそうですね。

   入社2年目に出会った、当時の支店長Mさんの口癖は「装置の勉強をしろ」でした。その言葉を私は当初、表面的に受け止め、ひたすら知識の修得に励んでいました。しかし、Mさんの先生方への接し方を目の当たりにし、この言葉にはMade for Lifeにつながる深い意味があると思い至りました。Mさんが豊富な装置の知識を前面に出すことは決してありませんでした。尊い「いのち」を守る医療現場に対し、どのようにすればお役に立てるのか。同じ志を持つ仲間、あるいは最も身近なサポーターとして、先生方一人ひとりのために誠意を尽くし考え、行動し、信頼関係を育まれていました。「装置の勉強をしろ」とは単純に知識を身に付けろ、という意味ではなかった。Mさんが行動で示したように、より良い医療活動に装置を役立てるための生きた知識と思考を身に付けることが求められていたのです。

    また、この気づきをきっかけに、周囲の先輩がそれぞれの努力と工夫でMade for Lifeを実践し、そこで得たものを後輩に惜しみなく与えてくれる、その姿こそがキヤノンメディカルらしさの一つなのだと私にもしっかり見えてくるようになりました。
   現在、私が担当するエリアには、開業医さんが約800カ所、一般病院が約10数カ所、他に大学病院や国立病院があり、飛び地で担当している施設もあります。そのすべてが、「いのち」を守るための最前線です。ですから、ご提案内容は、装置の販売にまったく係わらない事柄でもいい。いつでも個々の施設のお役に立つことができるよう、自らの能力を広く深く、鍛え続ける必要がある。それが、営業職にとってMade for Lifeから導かれるひとつの在り方ではないか、と思っています。
   日々の営業の中で"やってみせて"教えてくださったMさんをはじめ、諸先輩の熱意が、私を育ててくれました。一昨年から営業主任として私も部下を導く立場です。若手の指導で迷うときには、必ずMade for Lifeという原点に立ち返ります。そして、具体的な行動では、新人時代にお世話になった方々を思い浮かべ、あの人なら、この人なら、どうするだろう、と今もよく考えています。

Q02

「いのち」への想いが込められた装置を
お客様にお届けする努力の中で、
忘れられない経験はありますか。

   これまでの経験はどれも財産ですが、入社4年目の、とある病院の移転に伴うMRIの新規導入はとくに忘れられない経験ですね。弊社の装置をまだ使ったことのない施設で、強力な競合他社の存在もある難しい案件でした。流れを変える糸口となったのは"施設側"担当者Aさんの存在です。Aさんは、医療機器に精通した方で、院内で厚い信頼を得ていました。その方が最後まで粘り強く、私たちのMRI装置導入のメリットを経営陣に説いてくださったのです。Aさんにとくに評価していただいたのは、全検査対応の静音技術と造影剤を用いない高画質の血管像。Made for Lifeの精神から生まれた患者さんへの優しさを追求した性能でした。
   「Aさんの理解と応援に必ず応えよう」。奮起した私たちが考えたのは、移転先エリアについてのマーケティングを病院に代わって行う、というアプローチでした。メンバーは、先程話題に出たMさん、営業技術部長、先輩のTさん、私の4人。医療行政に詳しい営業技術部長の知識を活かし、「移転先での地域的なポジショニングを含めた"病院経営"という観点でやろう」という方向でまとまりました。「近隣のクリニックが今、外部依頼しているMRI検査の件数を訪問調査して装置導入後の需要を予測、採算性を割り出す」というのが具体的な手法です。訪問調査、つまり足でデータを集めなければいけませんから皆、必死でした。
   結果は、装置の性能、医療行政にかかわる提案内容、価格面などを総合的に評価していただくことができ、成約の運びとなりました。「いのち」への想いでお客様とつながり、施設に役立つため、担当メンバー一人ひとりが持てる力を発揮して挑んだ。あれだけのことをすべて一人ではできませんから。熱意と仲間の存在が胸に刻まれた貴重な経験となりました。

Q03

「いのち」に優しい装置の
機能について、患者さんからの
反響も耳にするそうですね。

   キヤノンメディカルのMRIの静音性は全検査対応で、それは患者さんの負担を軽減する大きな特徴です。ソフトウェアによる音の制御では、ある検査では静かでも、別の検査では大きな音がすることが起こり得ますが、キヤノンメディカルはハードウェア自体が違います。音が発生する元となる傾斜磁場コイルを真空に閉じ込めた設計により、すべての検査での高い静音性を実現しました。「この病院の検査は静かだね」。患者さんの言葉を施設の方々から聞くと、患者さんにも、施設にも、お役に立てているのだな、と実感でき、ほんとうにとてもうれしいですね。
   CTについては、患者さんは医療被ばくのことをたいへん心配されています。キヤノンメディカルのCTは、4列から320列までの種類があり、そのすべてに最新の被ばく低減ソフトAIDR 3Dが標準装備されています。さらに、2011 年から始まった「CTの被ばく半減プロジェクト」では全国の医療施設ですでに稼働中の装置についても1台1台無償でインストールを行なっています。
   装置に込められている「いのち」への想いをお客様と患者さんにお届けすることを通じて、広く社会に貢献することができる。そこに、Made for Lifeを経営スローガンとする医療機器メーカーとしての誇りと責任があると思います。

Q04

今後、全国の営業の仲間たちと
Made for Lifeをどのように
実践していきたいと考えていますか。

   最初にMade for Lifeという経営スローガンを知った時は正直、高尚な言葉という印象で具体的なイメージがすぐには湧きませんでした。けれど、上司や先輩、仲間とともに経験を重ねていくうちに、営業担当だけではなく、社員それぞれの中でMade for Lifeの精神が活きていることを知りました。この一人ひとりのMade for Lifeへの想いをこれからの若い世代に引き継いでいく責任が私たちにはあります。
   「主任になる前は主任の仕事を意識しろ。主任になったら課長の仕事を意識しろ。課長になったら支店長の仕事ができるように心がけろ」。これも新人時代に上司から教わった言葉で、このようなひとつ上の視点を持つことを今あらためて私自身、心がけています。目先の成果だけにとらわれず、後輩の育成や支店全体、会社全体の活性を図り、より良い企業活動を、医療の現場に立つ先生方のご支援に結びつけていきたい――。キヤノンメディカルは、日本の画像診断をリードしてきた企業です。これからも先端技術と「いのち」への想いを込めた装置を医療の未来を拓くために役立てていただけるよう、全国の仲間と一層の努力を重ねて参ります。