デジタル化、自動化で、
製造現場を加速させていく

生産技術

SCM統括部
生産技術部
生産技術担当
理工学府 理工学専攻卒
※所属は取材当時のものです

MY WORK

製品の品質を維持しながら、どうやって生産効率をあげていくのか。それが生産技術担当の大テーマです。基本的にはMRIやCT、超音波など各製造部を担当することになるのですが、SCM統括部の生産技術担当は製造部全体を見ながら生産体制や生産設備を改善することになります。私の担当は、製品の部品を検査するユニット試験機のソフトウェア改良。工場の最適化を図るため、部品の搬送や管理などの改善施策も検討しています。

INTERVIEW SHOTA SHIBATA

最初から医療を志望していたのですか?

正直、大学生になるまで、サッカー以外に夢中になれるものが見つからなかったんです。理工学を専攻したのも、「技術があれば就職も困らないだろう」と思ったから。ただ、「将来は地元に戻りたい」とは考えていたので、就職活動は“栃木に拠点を置く企業”を中心にエントリー。色々な企業を受けましたが、なかでも特に際立っていたのがキヤノンメディカルシステムズでした。医療の重要性に触れる機会があったことも影響したのかもしれませんね。CTのシェアでは国内1位を誇っていると聞き、「こんなすごい企業が地元にあったんだ」と驚いたことを覚えています。人事の方も一方的に話をする方ではなく、じっくりと私の話を聞いてくださる方ばかりでしたし、「ここでなら先輩たちと一緒に議論しながらいいものがつくれる」と思えたことは入社の大きな後押しになりました。

現在の仕事内容を教えてください

現在はユニット試験機を改良する仕事を担当しています。かつてはユニットごとに試験していれば良かったのですが、近年、データの連携や蓄積、活用などが注目されるようになり、現在は「業務をどうやってデジタル化していくのか」「人の“感覚”をどうやって数値化していくのか」を試行錯誤する日々を過ごしています。ただ、医療機器は高度な技術の集合体でもあるため、プロフェッショナルの“手仕事”に頼るところが非常に大きく、自動化を無理に推し進めれば品質低下を招く恐れもあります。人によって“感覚”の度合いも異なりますし、日々、職人の技をデジタル化することの難しさを痛感しています。難問ではありますが、これからも要素技術の検討を進めるなかで、未来への道筋を模索していければと考えています。

どんなときにやりがいを感じますか?

やはり自分が考え、つくったものが、目に見える成果を生みだしたときが一番嬉しい瞬間です。入社2年目のときに「制御基板自動試験機開発」を任されたことがあるのですが、当時はまだ右も左もわからないなかで、システムの構想からハードウェアの設計、ソフトウェア設計、製造まですべてを手探りで進めていったんです。試作機の製作にいたっては、自分でハンダづけもしました。失敗もたくさんあったのですが、結果的に試験時間を半分に縮めることができましたし、現場の方から「作業が一気に楽になった」「パートさんに教える手間も省けた。この時間を有効活用するよ」と感謝されたことはエンジニアとして純粋に嬉しかったですね。誰のためにつくっているのか。この視点を決して忘れてはならないと肝に銘じた仕事でもありました。

この会社の魅力は?

若手にもチャンスをくれること、そして信じて託してくれるところが当社の大きな魅力だと思います。さきほどの「制御基板自動試験機開発」では最初から最後まで1人で責任を持って担当させてもらいましたし、今思えば横から「ああしなさい」「こうしなさい」と言われたこともなかったように思います。自分のなかで「もっと使いやすくならないか」「ここはどうすればいいんだ」という疑問がわいたときに先輩に質問するかたちでしたし、あくまで私のアイデアを尊重したうえで「この配置だと現場の人は使いにくいと思う」「レイアウトをもっと整理した方が美しいかもしれない」とアドバイスをしてくれていました。入社後すぐに、ひとつの装置の責任者としてものづくりに携われる。こうした社風が、私がここにいる一番の理由なのかもしれません。

INTERVIEW SHOTA SHIBATA

どんな人が向いていると思いますか?

色々な技術に触れたい、色々な仕事を経験したい。そんなタイプの方が生産技術に向いていると思います。実は私も大学時代は開発職を志望していたのですが、実際の仕事を経験するうちに「生産技術担当でよかったな」と思うようになったんです。日々、MRIやCT、超音波診断装置など多岐にわたる生産ラインの知識を吸収することができますし、当社の工場では部品の製造もしているため機械加工や板金加工、塗装などについても学ぶことができます。技術者の方に仕事の進め方などをヒアリングするなかでは「CTの塗装ではこういうことに留意する必要がある」「超音波診断装置には特殊な加工を施している」といったお話を聞くことができますし、こうした幅広い技術に触れられることは生産技術担当の魅力のひとつになっていると思います。