法の翻訳家として、
医療を進化させていく

法務

法務部
兼 知的財産部企画渉外担当
法学研究科 法曹養成専攻卒
※所属は取材当時のものです

MY WORK

法務部の使命は、正しいかたちでスタッフの想いを実現すること。取締役会の運営やコンプライアンス関連業務、契約書の草案作成といった一般的な法務業務はもちろんですが、私の場合は事業部や研究開発部と近い距離のなかで「そもそもこの契約でなにを達成したいのか」という段階から議論に参加。社内横断プロジェクトも立ち上げ、今後の研究環境を飛躍させる可能性がある法的課題の解決にも取り組んでいます。

INTERVIEW YUI OIKE

入社の背景について伺えますか

大学院時代は弁護士を目指していたのですが、いざ司法試験に合格してみると「本当にこれでいいのか」と考えるようになってしまって。師匠から学び、師匠と同じキャリアを歩んでいく。ある程度、自分の未来が見えてしまったからなのかもしれませんね。次第に「もっとワクワクできる道はないか」「企業の力を活用すれば、個人ではできないことができるはず」と就職を考えるようになっていったんです。当社への入社を決めた理由は、法務部が小さすぎず、大きすぎなかったから。そんな組織だからこそ上司や先輩の指導を受けながら成長できますし、裁量権を持ったうえで能動的にプロジェクトに携わることができます。社会貢献度の高い事業であることはもちろんですが、「医療という法規制の強い領域の方が、専門知識を活用して大きなインパクトを起こせるかもしれない」と思えたことも大きな後押しになりました。

現在の仕事内容を教えてください

私の場合は契約書作成よりも、事業部や研究開発の方と打ち合わせしている時間の方が長いかもしれません。当社は大学や病院との共同研究プロジェクトも数多く実施しているのですが、どれも医療の最先端とも言えるテーマを扱っているため、自然と私自身も法律になっていないようなトピックを検討することが多くなります。最近では「医療データの利活用」について様々な主張がなされていますが、研究者と直に話しながら“未開の地”に挑戦できるのは当社の法務部だけ。法的・技術的観点からこの問題に会社として適切な対応を取ることができれば、10年後にはこの“医療データの泉”を利用して画期的なイノベーションが続々と生まれているかもしれません。もちろん多少の不安はありますが、心から「夢があるなぁ」と思えるプロジェクトに主体的に携われることは大きな励みになっていますね。

業務の難しいところは?

新人の方は、打ち合わせですこしだけつまずくかもしれません。私自身も理系の知識がほとんどなかったため、当初は“技術用語と法律用語が飛び交う会議室”に困惑していました。今も100%わかっているわけではないものの“要”のところは理解できるようになりましたし、「恥じることなく専門家に質問する」という姿勢が大切なんだと思います。以前、「その研究にはどんな意味があるんですか」という素朴な質問をしたことがあるのですが、60代のベテラン研究者の方はにこりと笑って丁寧に説明してくださいましたし、当社には「いい仕事をするために深く理解したい」という若手の想いをしっかりと受けとめてくれる先輩がたくさんいます。大切なのは、疑問を疑問のままで終わらせないこと。その努力さえ続けていればきっと、技術者と対等に話せるようになるはずです。

法務部の特徴を伺えますか

やはり「小さすぎず、大きすぎない」ことが大きな特徴だと思います。最初は先輩と一緒に業務を覚えていくのですが、半年ほどで主担当としての仕事が一気に増えますし、上司に「やらせてください」と言えば大きな案件もどんどん渡してくれます。それこそベテランが担当するような株主総会も新人が運営していますし、2年目や3年目になるとM&Aなどにも参加するようになります。私自身もそうでしたが、これだけ色々な仕事に挑戦していると多彩な部署に知人ができますし、自然と「この課題に全力で取り組みたい」というアイデアを相談できる人も増えていきます。実は「医療データ」に関するプロジェクトも、知的財産部の方の後押しがあって立ち上がったもの。「当事者として積極的に事業に関わっていきたい」という方にとっては、とても魅力的な環境だと言えるのではないでしょうか。

INTERVIEW YUI OIKE

今後のキャリアビジョンは?

将来的には経営の中核を担って活躍したいと思っています。以前、法務部の役員の方に「上司を使って自分の意見を上にあげるんだ」と言われたことがあるのですが、このアドバイスをきっかけに「尻込みしなくていいんだ」「こうあるべきだと思ったことは言っていいんだ」という意識が生まれたことは本当に大きかったと思います。現時点でも当社のなかには解決すべきことがたくさんありますし、まずは法務部として当事者意識を持って事業を改善していきたい。そして、ゆくゆくは多彩な部門の業務も経験していきたいと考えています。とにかく、「自分がこの会社を成長させるんだ」という意識で私は仕事に取り組みたい。社内外の色んな人を巻き込みながら世の中に大きなインパクトを起こしていく。そんな日を夢見て、これからの一日一日を歩んでいけたらと思っています。