新技術を掘り起こし、
企業の武器をつくる

知財

知的財産部
技術担当
生命医科学研究科 医工学・医情報学専攻卒
※所属は取材当時のものです

MY WORK

知的財産部のミッションは、知的財産権の保護や活用を通じて事業活動に貢献することです。当社の知的財産部は技術担当と企画渉外担当の二つのグループで構成されています。技術担当は特許の種の発掘や特許の取得などを通じて権利を“保護”し、企画渉外担当は社外との交渉を通じて権利を“活用”します。現在、私は技術担当として、主にCT関連の技術分野を担当しています。また、現地法人の窓口担当としてアメリカとイギリスの研究所の特許関連業務の支援を行っています。

INTERVIEW RYO OKUDA

入社理由を教えてください

学生時代は医工学に関する研究を行っていたので、専攻に近い業種で幅広い分野の最先端技術に携わることができる知的財産職の募集があった当社を希望しました。 知的財産職の魅力は企業の“特許”を扱うため、常に最先端技術に携わることができ、それを企業活動に価値をもたらす特許権としてカタチに残すことができるということだと思います。ただ、知的財産職は業界一般に中途採用が多く、新卒採用に取り組んでいる企業はそう多くありません。そのなかでも当社はメンター制度をはじめ教育体制もしっかりしていましたし、企業としてもヘルスケアITやバイオ分野といった新領域に挑戦していくというフェーズだったため、「ここであれば未経験からスタートしても、多彩な技術分野に関わっていける」と入社を決めました。

業務内容について伺えますか

技術担当の業務は、大きく分けて3つあります。まずは「発明の種の発掘」を行うリエゾン業務。実は技術者にとっては当たり前のアイデアが“発明”になることもあるため、現場の方と議論しながら“発明の種”を掘り起こしていくことも重要な役割のひとつです。二つ目は「特許の権利化」。発掘した“発明の種”を当社の権利にするために、日本だけでなく、アメリカやヨーロッパなどにも特許を出願します。出願後に各国特許庁から通知される“拒絶理由通知(Office action)”に基づいて、審査官の認定に反論したり特許の権利範囲を補正したりしながら権利化を行います。三つ目は「パテントクリアランス」という仕事。この業務では新製品の開発プロジェクトに早期から携わり、各国の特許を調べ上げて「他社の権利を侵害していないか」を慎重にチェックしていきます。

当社の知的財産部の特徴は?

知的財産部は、少数精鋭です。通常、企業の知財業務は細分化されているケースが多いのですが、当社では一人の社員が担当する製品分野に関する特許関連業務を全般的に支援しています。発明の種が生まれて、特許になり、製品として世界に送り出されていく。その“全体図”に関わりながら特許業務ができることは当社ならではのおもしろみだと思いますし、日本やアメリカ、ヨーロッパなどの世界中の開発者たちが取り組んでいる“最先端の研究”にいち早く触れられることも私の大きな喜びになっています。当社は近年ではDeep learningを応用した画像再構成法を各種医用画像診断装置に世界で初めて搭載するなど “医療技術のパイオニア”として最先端技術を生み出し続けています。こうした環境で業務に携われることも、当社の知的財産職としての大きな魅力だと思います。

業務で工夫していることは?

特許技術者として当たり前のことですが、常に「先行技術を含まない範囲で、その特許の権利範囲を最大化する」ことを強く意識しています。他社との特許交渉の場では、各特許の権利範囲が他社製品の実施の形態を含んでいるかが争点になります。このとき、自社の特許の権利範囲が他社製品の実施形態を含んでいれば交渉で優位に立てます。そのためには、できるだけ各特許の権利範囲を有効性が担保される範囲内で最大化することが不可欠です。大切なのは権利交渉も見据えたうえで、できるだけ広範囲の権利を取得すること、その権利範囲をサポートできるような特許書面を出願時に作り上げることを意識して業務を行っています。

INTERVIEW RYO OKUDA

どんな人が向いていますか

最先端技術や各国特許法に関連する業務ということもあって、「専門知識がないと通用しないかもしれない」と思われる方もいるかもしれませんが、私自身は入社後でも充分に知識は身につけることができると思っています。それよりも重要なのは、コミュニケーションスキルだと思います。技術担当は開発者の方と議論することが多いですし、特許庁の審査官とも口頭乃至は書面で交渉を行います。そういう意味では、謙虚さを持ったうえで「人とコミュニケーションを取りながら業務を進めることができる」という人が向いていると思います。入社前に医療機器に関する専門知識や法律知識が無くても心配ありません。当社には1年目から丁寧に育てていく風土がありますし、すこしでも知財に興味のある方にはぜひ「安心して飛び込んできてください」と伝えたいですね。